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遺産相続ケーススタディ

籍を入れない事実婚では相続できない

籍を入れない事実婚には相続権はない

~「笑う相続人」の登場で遺産はすべて横取りに(T_T)~

事実婚.JPG花子さん(53)は、仕事の関係で知り合った亮一さん(55)と長年一緒にくらしてきましたが、入籍はしていませんでした。籍を入れれば、名前も変わるし、シングル同士のほうが気が楽だ~と思っていたからでした。

ところが、亮一さんが脳梗塞でたおれ、半身不随と言語障害の重い後遺症が残ってしまいました。
亮一さんには、親兄弟も親しい親戚もいないと聞いていたので、面倒見の良い花子さんは会社を辞めて、懸命に介護をしました。

2年後、亮一さんの容態はほとんど回復しないまま亡くなりました。
すると、会ったこともない「甥」がひょっこりやってきて、「亮一さんの財産を相続したい」と言うではありませんか!
Σ( ゚ д ゚ )Σ( ゚ д ゚ )

花子さんも負けじと「ずっと介護してきたのは私」と主張します。

この場合、相続人(甥)がいなければ、故人と生計をともにし、介護にも寄与のあった花子さんは、「特別縁故者」として家庭裁判所に申し立てができます。しかし、相続人が現れた場合は、遺産はその人にいってしまうのです。残念ながら、花子さんは遺産を相続することができません。
故人との交流がほとんどないのに、相続分を主張できるこうした人物を「笑う相続人」と呼びます。

看病中、亮一さんに遺言を書いてもらおうと何度も考えた花子さんでしたが、病状が回復せずに、機会を逸したままでした。2人が住んでいた亮一さんの自宅も、花子さんに生前贈与していればよかったのですが、その手続きもできませんでした。

事実婚では配偶者の権利はどこまで認められる?

結局、花子さんは唯一の財産である自宅を甥に取られてしまいました。
しかし、幸いにも亮一さんが花子さんを受取人とする2,000万円の生命保険をかけていました。亮一さんの死亡退職金と、厚生年金の遺族年金ももらえることになりました。良かったですね(^∀^)

近年は事実婚の相手同士でも、生計を一にしている場合は配偶者とみなされ、様々な権利が認められるようになってきました。特に、年金に関しては、ほとんど法律婚と変わらなくなってきています。(表参照)

たとえば、妻が専業主婦で年収が130万円以下であれば年金の第3号被保険者と認められ、自分で年金保険料を支払う必要はありませんが、これは、事実婚でも認められています。
また、夫が亡くなった場合の遺族年金の権利も、法律婚と変わりません。事実婚を解消した場合には、年金分割や財産分与、慰謝料を請求する権利も認められています。

ただし!相続の場においては、法律は非情です(lll -_-)
どんなに長い間同居していようとも、実態が夫婦同然であっても、婚姻届を提出していなければ、夫の財産を相続する権利はありません。

可否
年  金 第3号被保険者
遺族年金
離婚
(事実婚を解消した場合)
年金分割
財産分与
慰謝料
相  続 法定相続

×(認められない)

所得税 配偶者控除 ×(認められない)
医療費控除 ×(認められない)


財産といってもマイホームくらいだから~なんて考えていると大変なことになりますね。
そのマイホームの相続権は、夫の両親や祖父母など、もしその人たちが他界していれば、夫の兄弟、甥、姪などに発生するのです。本ケースのようなことも、現実に起こりうるわけです。

最大の対策は遺言を書くこと

では、事実婚の場合、妻に財産を残すにはどうしたらよいのでしょうか?
最大の対策は遺言を書くことです。生前に妻に財産を残す旨の遺言を書いておけばいいでしょう。

ただ、問題は遺留分にあります。もし、父母などが他界していれば夫の兄弟などには遺留分はないので、全額妻に資産を残すことができます。
しかし、夫の父母や祖父母が生存していれば、資産の3分の1は遺留分となり、遺言を書いたとしても妻には3分の2まで残せません。

さらに、ややこしいのは離婚していない妻がいた場合。資産の2分の1は遺留分となるので、事実婚の妻には2分の1しか残せません。

遺言以外の対策としては、生前に贈与しておくという方法もあります。この場合、年間110万円の基礎控除の範囲内であれば、贈与税は必要ありません。
それを超えると、贈与税の申告をして納税をする必要があります。
マイホームの贈与は、現金化しないと難しいでしょうが、預金などの金融資産を生前に贈与するという対策には使えるでしょう。

当サポートセンターでは、遺言作成、生前贈与などのサポートを積極的に行っております。
人それぞれに事情は違います。あなたにあった最適な解決方法を、きっとご満足のいくかたちでご提案いたします。
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